2026年8月18日から21日にかけて、Googleは世界全体・全言語を対象にスパムアップデートを実施しました。更新の前後で検索順位やクリックが落ちると、「AIで作った記事が原因では」「すぐ全記事を書き直すべきでは」と不安になるかもしれません。しかし、日付が近いだけでは原因を断定できません。技術障害、検索需要の変化、計測の不具合、競合の改善でも同じようなグラフになります。
最初に行うべきことは、大量修正ではなく切り分けです。Search Consoleで下落日と影響範囲を確認し、手動対策やセキュリティの警告、インデックス状況、前年の需要を順番に調べます。そのうえで、ポリシーに触れる可能性があるページだけを優先し、読者にとって不足している情報を直します。根拠のない一括削除は、残っている流入や問い合わせまで失うおそれがあります。
この記事では、Search Consoleを初めて使う担当者でも再現できるように、開く画面、比較する期間、見る数字、原因別の対応、改善後の計測まで説明します。Googleは今回の更新で特定の手法だけを対象にしたとは発表していません。「AI記事だから下がった」と決めつけず、事実を一つずつ確認してください。画面や仕様は2026年9月12日時点の公式情報を基準にしています。
2026年8月のスパムアップデートで分かっていること
Googleの検索システムには、検索順位を不正に操作する行為を検出する自動システムがあります。スパムアップデートは、この仕組みを改善する更新です。2026年8月の更新は短期間で完了しましたが、サイトごとの変化は更新期間の直後だけに現れるとは限りません。クロールや再評価のタイミングによって、数日ずれて見える場合があります。
重要なのは、Googleが今回の更新について新しい違反項目や特定の生成方法を対象にしたと明言していない点です。既存のスパムポリシーには、大量の独自性が乏しいページを検索順位操作のために作る「大量生成されたコンテンツの不正使用」が含まれます。生成AIの利用自体が違反なのではなく、作り方を問わず、利用者を助けない大量のコンテンツが問題になります。
順位下落とペナルティも同じ意味ではありません。人による手動対策が適用された場合は、Search Consoleの「手動による対策」に理由が表示されます。一方、自動システムによる評価変化には個別の通知がありません。通知がないから安全とも、通知がないから回復できないとも言えません。
| 確認項目 | 公式情報から分かること | 断定できないこと |
|---|---|---|
| 実施期間 | 2026年8月18日から21日に世界全体・全言語で実施 | 自社サイトの下落が必ず更新によるものか |
| 対象 | 既存のスパム検出システムの更新 | 特定業種やAI記事だけが対象だったか |
| 通知 | 手動対策はSearch Consoleに表示 | 自動評価の具体的な違反ページ |
| 回復 | 改善後の再評価には数か月かかる場合がある | 修正すれば何日で何位へ戻るか |
順位が下がった日に最初の30分で確認すること
担当者が最初に残すのは、下落を発見した日時、比較した期間、対象ページ、下がった指標です。「アクセスが減った」だけでは調査できません。Search Consoleのクリック、表示回数、平均掲載順位と、GA4などの自然検索セッションを分けて記録します。問い合わせ件数も同じ表へ入れると、事業への影響を判断しやすくなります。
次にGoogle Search Status Dashboardで更新期間を照合します。下落が8月18日より前に始まっていれば、今回のスパムアップデートだけでは説明できません。更新期間と重なっていても、同じ日にサイト改修、計測タグ変更、サーバー障害がなかったかを確認します。
Search Consoleの左メニューから「セキュリティと手動による対策」→「手動による対策」を開きます。「問題は検出されませんでした」と表示されれば、人によるペナルティの通知はありません。続いて「セキュリティの問題」も開き、不正なページ、マルウェア、フィッシングの警告がないか確認します。警告があれば記事改善より復旧を優先してください。

| 見る場所 | 正常の目安 | 異常がある場合の優先対応 |
|---|---|---|
| Search Status Dashboard | 下落日と更新期間を照合できる | 更新前の下落なら別原因を調べる |
| 手動による対策 | 問題なしと表示 | 対象範囲を確認し全件修正後に再審査 |
| セキュリティの問題 | 問題なしと表示 | 改ざん除去、認証情報交換、再確認 |
| ページのインデックス登録 | エラーが急増していない | noindex、robots、404、サーバーを確認 |
| GA4・サーバーログ | Search Consoleと傾向が近い | 計測タグや同意設定の変更を確認 |
Search Consoleで影響範囲を絞る具体的な操作
Search Consoleへログインし、対象サイトのプロパティを選びます。左側の「検索パフォーマンス」または「検索結果」を開いてください。グラフ上部で「合計クリック数」「合計表示回数」「平均掲載順位」を有効にします。クリックだけが減ったのか、検索結果に出る回数まで減ったのかを分けて見ます。
「日付」を押し、「比較」タブから下落後と直前の同じ日数を比べます。曜日差を避けるため、最初は28日対その前の28日が扱いやすいでしょう。季節性がある事業では前年同期間も確認します。更新直後の数日だけを比べると偶然の変動を大きく見積もりやすいため、短期と中期の二つを保存します。
グラフ下の「ページ」タブを開き、「クリック数の差」で並べます。減少が大きいURLを上から10件ほど書き出してください。サイト全体が同じ割合で落ちたのか、記事、サービス、地域ページなど一群だけが落ちたのかで、調べる原因が変わります。
対象ページをクリックしてフィルタをかけたまま「クエリ」タブへ移ります。表示回数、クリック、順位の変化を見て、どの検索意図を失ったのかを確認します。検索順位は大きく落ちたのに表示回数が維持されていれば評価変化が疑われます。順位がほぼ同じで表示回数だけ減った場合は、需要や検索結果の見え方も調べます。
右上の「エクスポート」からGoogleスプレッドシートまたはCSVへ保存します。比較条件、対象期間、フィルタをファイル名や調査表に残してください。翌週に同じ条件で測れなければ、改善の効果を判断できません。

| グラフの変化 | 考えられる状態 | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 表示回数・順位・クリックが同時に低下 | 評価変化またはインデックス問題 | ページ群、登録状況、内容、ポリシー |
| 順位は同程度で表示回数だけ低下 | 需要減少や季節性 | 前年、Google Trends、業界動向 |
| 表示回数は同程度でクリックだけ低下 | タイトルや検索結果構成の変化 | 実際の検索結果、CTR、競合の見せ方 |
| サイト全体が急にゼロ近くへ低下 | 計測・配信・技術障害 | タグ、robots、noindex、サーバー |
| 一つの分類だけ低下 | テンプレートや内容品質の共通問題 | 共通部品、重複、検索意図とのずれ |
アップデート以外の原因を先に除外する
原因を更新だけに絞る前に、技術変更の履歴を確認します。WordPress本体やSEOプラグインの更新、テーマ変更、URL変更、サイト移転、canonical、noindex、robots.txt、キャッシュ設定は検索表示へ影響します。下落URLをSearch Console上部のURL検査へ入力し、「URLはGoogleに登録されています」と表示されるか、Googleが選択した正規URLが意図したURLかを見ます。
サイト内の全ページが落ちた場合は、サーバーの稼働、クロール統計、ページのインデックス登録を優先します。一部の記事群だけなら、その投稿タイプのテンプレート、内部リンク、公開日の扱い、重複ページを調べます。検索だけが落ちて直接流入や広告流入は変わらない場合、計測全体の停止より検索面の変化が疑われます。
需要変化も見落とせません。Googleの公式ガイドは、下落した検索語をGoogle Trendsで確認し、自社だけの変化か市場全体の変化かを分けるよう案内しています。前年と同じ時期に落ちているなら、季節性をアップデートの影響と誤認している可能性があります。
| 原因候補 | 見分ける証拠 | 担当 |
|---|---|---|
| 技術障害 | 登録除外増加、5xx、noindex、正規URLの不一致 | 制作・保守担当 |
| 計測障害 | Search ConsoleとGA4の傾向が一致しない | 解析・タグ担当 |
| 需要変化 | 順位は同じで表示回数が前年同様に減る | マーケティング担当 |
| 競合改善 | 検索意図に合う新しい上位ページが増える | 編集・SEO担当 |
| スパム評価 | 特定の低品質なページ群が大きく落ちる | 編集責任者・経営者 |
スパムポリシーをページ群ごとに確認する
技術と需要を除外したら、下落したページを一件ずつではなく、同じ作り方のまとまりで確認します。たとえば、地域名だけを変えたサービスページ、商品名だけを差し替えた比較記事、短期間に大量公開した記事、外部サイトから寄稿されたページです。共通する制作工程が見つかれば、修正を優先する範囲が見えます。
大量生成されたコンテンツの不正使用では、検索順位の操作を主目的に、独自価値の乏しいページを大量に作ることが問題になります。AIを使ったか、人が書いたかだけで判断しません。一次情報、実際の検証、固有の画像、具体的な判断基準がなく、検索結果を言い換えただけのページが並んでいないかを見ます。
誘導ページは、似た検索語や地域ごとに作った複数ページから、結局同じ場所へ誘導する構成です。期限切れドメインの不正使用、サイトの評判を利用する第三者コンテンツ、隠しテキスト、リンクスパムなども公式ポリシーで確認できます。専門用語だけで自己判断せず、実際の公開ページと制作目的を照らし合わせてください。
外部から受けた記事や広告目的のページがある場合は、誰が内容を管理し、サイト本体の編集基準を通しているかを確認します。著者名を付けただけでは品質の証明になりません。事実確認、更新責任、読者への価値、サイトの主題との関係を説明できる状態が必要です。
| 点検するページ群 | 危険な兆候 | 改善の方向 |
|---|---|---|
| 大量公開した記事 | 構成と結論が同じ、独自情報がない | 統合、検証追加、不要ページ整理 |
| 地域・業種別ページ | 固有情報が地名や名称だけ | 地域実績、条件、担当範囲を具体化 |
| 比較・ランキング | 評価根拠や確認日がない | 基準、検証方法、対象外条件を明記 |
| 寄稿・第三者ページ | 編集責任や本体との関係が不明 | 審査、監修、公開範囲を見直す |
| 古い記事 | 終了仕様や古い画面を断定 | 一次情報で更新し確認日を付ける |
AIで作った記事を自然に改善する方法
AIを使った記事をすべて削除する必要はありません。まず、下落した検索語で読者が本当に知りたい行動を一文で書きます。次に、記事がその行動を完了できるかを確認します。「設定する」「改善する」とだけ書き、開く画面、必要な権限、入力例、成功時の表示がなければ、読者は作業を終えられません。
一般論を増やす代わりに、実務で迷う分岐を足します。誰に向く方法か、どの条件なら実施しないか、失敗すると何が起きるか、元に戻すには何を保存するかを説明してください。自社の経験を出せない場合でも、公式資料の画面手順を確認し、事実と推測を分けるだけで信頼性は上がります。
重複した記事は、強い一ページへ統合する選択肢があります。流入と被リンクがあるURLを基準にし、別ページの有用な内容を移します。削除するURLは内容に合う統合先へ転送し、サイトマップ、内部リンク、canonicalを更新します。転送先がないページを無理にホームへ集めると、読者にも検索エンジンにも意図が伝わりません。
変更前にはタイトル、本文、検索数値、問い合わせ数を保存します。一度にタイトル、URL、構成、全本文を変えると、何が効いたか判断できません。緊急の違反や誤情報を除き、影響の大きいページ群から段階的に直します。

| 優先度 | 条件 | 具体的な作業 |
|---|---|---|
| 最優先 | 手動対策、改ざん、noindex、重大な誤情報 | 影響範囲を特定し直ちに修正 |
| 高 | 問い合わせに近く下落幅が大きい | 検索意図、手順、独自根拠を改善 |
| 中 | 流入はあるが重複・古さが目立つ | 統合、更新、内部リンク整理 |
| 低 | 流入も事業接続も小さい | 削除ではなく保留し全体判断 |
| 観察 | 小さな順位変動だけ | 急な変更を避け週次で記録 |
改善後の成果をどう測るか
Googleは、修正の効果が検索システムに反映されるまで数日から数か月かかる場合があると説明しています。スパムシステムによる再評価も、長期的に改善されたと判断されるまで時間を要する可能性があります。公開翌日の順位だけで成功や失敗を決めないでください。
週次で同じSearch Console条件を開き、対象URLのクリック、表示回数、平均掲載順位、上位検索語を記録します。GA4や問い合わせ管理では、自然検索からのフォーム開始、送信、電話、資料請求を確認します。順位が戻っても問い合わせが増えないなら、検索意図やCTAの改善が残っています。
修正日を一覧化し、再クロール日、インデックス状態、主な変更、数値の変化を一行で追います。大量のページを同日に変えず、同じ問題を持つ小さなまとまりで進めると、再現性のある判断ができます。手動対策がある場合のみ、指摘された全範囲を修正してからSearch Consoleで再審査を申請します。自動評価の下落だけなら再審査ボタンはありません。
| 時点 | 確認内容 | 判断 |
|---|---|---|
| 公開直後 | HTTP状態、表示、noindex、canonical、計測 | 実装ミスがあれば即時復旧 |
| 1週間ごと | クロール、表示回数、主要検索語 | 方向を記録し追加の一括変更は避ける |
| 4週間後 | 同期間比較、ページ群別、問い合わせ | 改善継続・追加調査・保留を決める |
| 数か月後 | サイト全体の品質と再評価 | 制作工程そのものを見直す |
やってはいけない対応
下落を見て全記事を非公開にする、キーワードを一斉に増やす、接続詞だけを足す、文章を機械的に短くする、といった対応は避けます。検索順位を戻すための形だけの変更になり、読者の疑問は解決しません。すでに評価されているページまで壊す危険があります。
競合記事を寄せ集めて長くするのも改善ではありません。何を追加したかではなく、読者が次の判断や操作をできるかで内容を見ます。出典のない数値、確認していない画面、実在しない事例は載せません。
外部業者へ相談するときは、「順位を戻せますか」だけでなく、原因の切り分け、対象URL、修正方針、計測方法、元へ戻す条件を確認してください。成果を保証する説明や、すべてを一括削除する提案には慎重になるべきです。
担当者向けチェックリスト
調査開始時には、更新期間、下落開始日、Search ConsoleとGA4の数値、サイト変更履歴をそろえます。手動による対策、セキュリティ、インデックス登録、サーバー応答を確認し、技術問題を先に除外してください。
内容監査では、下落ページを作り方ごとに分類します。検索意図、独自性、正確性、操作の再現性、更新責任、問い合わせとの接続を確認します。重複ページは統合候補、誤情報やポリシー上の問題は最優先、軽微な変動は観察対象とします。
公開後は、URL、変更日、変更点、担当者、再クロール、検索数値、問い合わせを同じ記録へ残します。元の内容と数値を保存しておけば、悪化した場合に原因を検証しながら戻せます。
公式情報と関連する実務記事
判断の基準には、Googleのスパムアップデートとサイトへの影響、Googleウェブ検索のスパムに関するポリシー、検索トラフィック減少のデバッグ方法を使います。手動対策がある場合はSearch Consoleの手動による対策レポートで対象と再審査手順を確認してください。
調査から記事改善、内部リンク、問い合わせ導線まで一緒に見直したい場合は、ignityのWeb制作・SEO・広告支援をご覧ください。改善対象の選び方はSEOリライトの優先順位、Search Consoleの操作はSearch Consoleで生成AI向け表示を管理する方法も参考になります。
まとめ
2026年8月のGoogleスパムアップデートと順位下落の日付が近くても、それだけで原因は決まりません。更新期間、手動対策、セキュリティ、インデックス、計測、季節性を確認し、下落したページと検索語を特定することが最初の仕事です。
原因の証拠がそろったら、問い合わせに近く影響が大きいページから、独自性、正確性、具体手順、判断基準を改善します。一括削除や形だけのSEO修正は避け、変更前後を同じ条件で記録してください。検索順位だけでなく、読者が行動できたか、問い合わせにつながったかまで見て改善を続けましょう。
よくある質問
8月18日に順位が下がったらスパムアップデートが原因ですか?
日付が一致するだけでは断定できません。Search Consoleで影響範囲を確認し、技術変更、インデックス、計測、需要変化、手動対策を先に切り分けます。
AIで作った記事はすべて削除した方がよいですか?
AIの使用自体ではなく、検索順位操作を目的に独自価値の乏しいページを大量生成していないかが問題です。流入や問い合わせ、内容の有用性を確認し、必要なページは自然に改善します。
Search Consoleに警告がなければ問題ありませんか?
手動による対策やセキュリティの警告がないことは確認材料ですが、自動システムによる評価変化は個別通知されません。パフォーマンスと公開ページを別途調査します。
修正後は再審査を申請できますか?
再審査は手動による対策が表示された場合に使います。自動システムによる順位変化には申請手続きがないため、問題を改善し、再クロールと再評価を待ちながら数値を確認します。
順位はどのくらいで戻りますか?
決まった日数はありません。変更内容によって数日から数か月かかる場合があり、回復の保証もありません。週次で同じ条件を測り、検索流入と問い合わせの両方を確認してください。

















